友達からお金を借りる

金の切れ目が縁の切れ目、という処世訓にあるとおり、どれだけ仲の良い親友同士であっても、2人のあいだに金銭的な摩擦が生じれば、たちまち冷え切ってしまうのが友情というものです。

ネットの掲示板では「友達が自分から借りた金をなかなか返してくれない」と悲痛な叫びをあげる貸し手をよく目にしますが、貸し手と借り手双方の金銭感覚の違いや、言った言わないの水掛け論がこれらの問題を引き起こす原因になっているようです。

こんなトラブルで自分を信頼してくれる大切な友人を無くさないためにも、友達からお金を借りるときにはかならず返済期日を約束しておかなければなりません。

【1】「いつでもいい」は社交辞令

「返してくれたらいつでもいいよ」

まず、お金を貸してくれる人の言葉で絶対に真に受けてはいけないのがコレです。

友達の「いつでもいいよ」という言葉は借りる側からすれば気楽になれて嬉しいのですが、貸す側は十中八九「できるかぎり早く返せ」と思っています。

類語ワードに「急がなくていいよ」「無理に返してくれなくてもいいよ」などもありますが、これらもそれぞれ「急がなくていいよ(早いと尚よし)」、「無理に返してくれなくてもいいよ(おごりとは言ってないからな)」と言われていると捉えておくべきでしょう。

基本的に、お金を貸す側よりも借りる側のほうが金銭感覚はルーズなものです。

貸す側が“暗黙の了解”としていちいち口に出さない内容も、借りる側はきちんと汲み取らなければなりません。

さらに、借金のことは借りた側に比べて貸した側のほうが日常的によく意識しているものです。

もしあなたが友達の「いつでもいい」を真に受けて呑気に返済前に買い物をしたり遊びに行ったりしていれば、それをみた友達は「遊ぶ金があるなら先に借金を返してほしい」と感じるでしょう。

たとえそれが3,000円ポッキリの呑み代であっても、たった600円の雑誌の購入費であっても、貸した側に与える印象は変わりません。

どうしても返済より自分の事情を優先させたくなったときは、貸した側の友達には未来永劫そのことを内緒にしておくべきです。

くれぐれもTwitterやInstagramに遊びの感想を呟いてはなりません。

【2】返済が遅れるときはかならず事前報告を!

約束事というのは、社会のなかだけでなく友達関係においても絶対に破ってはいけません。

特にお金の貸し借りともなればなおさらです。

お金を借りるときに自分から返済期日を宣言したなら、絶対にその約束を守らないように前々から工面しておいて、偏差期日には1日でも1時間でも遅れないように努力してください。

万が一約束を守れないときには、期日がやってくる前に、あらかじめ友達に報告しておくべきです。

返済遅れの事後報告はもっとも貸す側の心証を悪くしますから、絶対に避けてください。

「全額は返せないけど、一部なら返せそう」という場合は、たとえ返せる額が借りた額の1割だけであっても返済しておくべきです。

もし友達から「全額まとまってから返してほしい」といって受け取りを断られたとしても、この行為は無駄にはなりません。

大切なのは返済する意志を明らかにしておくコトですから。

【3】借金と返済の事実はかならずメモをする

友達から借金するときには、誰から、いつ、いくら借り手、いつまでにいくら返すのか、ということをかならずメモしておいてください。

友達にお金を借りるときのトラブルとしておおいのは「言った」「言わない」「返した」「返さない」の水掛け論ですから、きちんと証拠を残すためにも約束事や借りたお金の現状についてはメモしておくべきです。

このときメモの方法としてなるべく避けて欲しいのは、スマートフォンでメモをとるコトです。

データ上のメモはなんらかの不具合で消えてしまう可能性があるので、今回のような証拠となる書類はなるべく紙に消えないペンで残しておいたほうがよいです。

もしデータとして残しておく場合は、スマホ自体が故障してもデータが消えないようにサーバー上でメモを管理することがオススメです。

LINEのような“一度した発言が削除できない”タイプのSNSで会話として記録しておけば、もし金銭トラブルが裁判事や警察事に発展したとしても証拠として機能するので安心です。

【4】友達とのお金の貸し借りはしないのが理想

友達とのお金の貸し借りは一歩間違えると「絶好」と紙一重の行為です。

最悪のケースではあなたの悪い噂が友達伝いにコミュニティーに広がり、関係のない人からの信頼まで失う恐れもありますから、こういった覚悟なくしては友達とは一切金銭関係を持ってはいけません。

相手があなたの生涯の友とも呼べる大切な人ならば、なおさらです。

お金に困ったときには、友達を頼るまえにまず親を頼り、だめなら兄弟姉妹、親戚、に声を掛けてみてください。

他人に迷惑を掛けずに借金を自己完結したいのなら“金融機関から借りる”という選択肢もアリでしょう。

もしどうしても友達を頼りたいという人は、

(1)返済期日を決める
(2)なるべく早く返す
(3)遅れるときは事前報告する
(4)やりとりはメモに残して証拠を作る

の4点を絶対に忘れてはなりません。